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映画『マイ・ブルーベリー・ナイツ』選ばれなかった女は今度は選ばれる女になったのか?【ネタバレあり】

マイ・ブルーベリー・ナイツ 2007年

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再生時間:95分

マイ・ブルーベリー・ナイツ
解説

『2046』などで知られる香港の名匠ウォン・カーウァイが、アメリカを舞台に描くロードムービー仕立てのラブストーリー。恋人の心変わりで失恋した女性が、新たな恋に踏み出す勇気を得るため、自分探しの旅に出る。ヒロインのエリザベスを演じるのは、グラミー賞受賞歌手ノラ・ジョーンズ。彼女の恋の相手を『アルフィー』のジュード・ロウが演じる。カーウァイらしい独特のスタイリッシュな映像とヒネリの効いた構成が魅力。

解説・あらすじ - マイ・ブルーベリー・ナイツ - 作品 - Yahoo!映画

キャスト・スタッフ
マイ・ブルーベリー・ナイツ
あらすじ

恋する惑星」のウォン・カーウァイ監督がアメリカを舞台に描いたラブストーリー
恋人の心変わりで失恋したエリザベスは、彼の家の向かいにあるカフェに出入りするようになる。彼女は毎晩ブルーベリー・パイを残しておいてくれるオーナー・ジェレミーとの会話に慰められていた。ところがある日、エリザベスは突然ニューヨークから姿を消す。

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ストーリー・考察
※ネタバレあり

カフェを営むジェレミージュード・ロウ)。ある日、彼の店に恋人に捨てられて荒れているエリザベス(ノラ・ジョーンズ)がやって来る。

彼女の恋人には、既に他の女性がいる様子。エリザベスは「彼が来たら渡しておいて」と言い、恋人の部屋の合鍵をジェレミーの店に置いていく。

数日後「彼は来た?」とジェレミーの店に確認しに来るエリザベス。その後、毎晩のようにエリザベスはジェレミーの店にやって来るようになる。

誰にも選ばれないブルーベリーパイ

「別れの理由が知りたい」と言うエリザベスにジェレミーはブルーベリーパイの話をする。「チーズケーキやアップルパイは売り切れるのに、いつもブルーベリーパイだけ手付かずで残ってしまう」と。

「何がいけないの?」と聞くエリザベスにジェレミーは「理由なんかない。パイのせいじゃなく、注文がない。ただ選ばれなかっただけ」と答える。

ジェレミーが売れ残ったブルーベリーパイを捨てようとすると、エリザベスは「一切れ頂くわ」と言って、アイスクリームが添えられたブルーベリーパイを食べる。

エリザベスの転機

後日、またジェレミーの店にやって来るエリザベス。今度は鍵を返してと言う。「彼とヨリを戻したの?」というジェレミーの問いには答えず、エリザベスは店を出て行く。

しばらくして、鼻血を出して戻って来るエリザベス。地下鉄で絡まれたと言う。

その後、ジェレミーが撮りだめている防犯カメラの映像で、元カレの店での様子を見て泣くエリザベス。

エリザベスはまたブルーベリーパイを食べて、口にアイスをつけたままカウンターに突っ伏して寝ている。ジェレミーはエリザベスの口についているアイスをキスして取る。

ジェレミーのキスには何も反応しないエリザベス。その夜、エリザベスは元恋人の鍵を置いて、ジェレミーの店を後にする。

エリザベスは同じ夜、元カレの家を外から覗き、他の女性がいることを確認する。

「道を渡るのに通り”回り道”をすると決めた」とのナレーション。ジェレミーといい感じになりそうだけど、すぐには始めないと言う意味。

メンフィスにたどり着いたエリザベス

ニューヨークからメンフィスに引っ越したエリザベスはジェレミーにはがきを出す。昼はダイナーで働き、夜はバー。忙しさで元彼を忘れられると言う。

アーニーと彼の妻との出会い

エリザベスはバーに毎日のように来るアーニー(デヴィッド・ストラザーン)というアル中の警察官の接客をする。

エリザベスが昼はダイナーで働き、夜はバーで働いてることを知ったアーニーはなぜそんなに働くのかとエリザベスに尋ねると、エリザベスは車を買いたいからと答える。

彼の妻は既に彼の元を去っているが、彼はそれを受け入れられない。ある日、妻の恋人がバーへやって来て、アーニーは相手を殴ってしまう。

その後、バーにいるアーニーに妻(レイチェル・ワイズ)が文句を言いに来る。そこで2人は激しい言い争いになり、アーニーは妻に銃を向けてしまう。

妻が去った後、アーニーはエリザベスにたくさんのチップを渡す。多すぎると言うエリザベスに君にはポンコツ車に乗ってほしくない、ポンコツ車に乗っていると警官に止められるからと言い残して、アーニーはバーを出る。

が、その夜、アーニーは交通事故で死んでしまう。警察は事故死としたが、その現場は妻とアーニーが出会った場所だった。

アーニーの妻はバーを訪れ、アーニーに乾杯!と言い、泥酔。

エリザベスが泥酔した彼女を家に送る途中、2人はアーニーの事故現場に座り、アーニーの妻はエリザベスに語り始める。

「アーニーに出会った時、私は17歳だった。車を運転していたところ、警察官だったアーニーに止められたのがきっかけ。警察官と恋に落ちて、こんな町で人生を無駄にするとは…彼は私に夢中で息苦しく思った。私は逃げた。それでも、彼はいつも私に夢中のままで私を待っていた。彼が死ぬのを何度も空想した。それが彼から離れる唯一の方法だった。憎んではいない。放してほしかった。でも、絆が切れるとたまらなく心が痛むの」と。

数日後、アーニーの妻はアーニーのツケをエリザベスに払いに来る。彼女は街を出ると言い、皆がアーニーを忘れないように、アーニーがツケを溜めた伝票を店に飾ってほしいとエリザベスに頼む。

エリザベスを探すジェレミー

一方、ジェレミーの元にはエリザベスからはがきが届き続けていた。ジェレミーはメンフィスのダイナーに片っ端から電話をかけてエリザベスを探すが見つからず、ジェレミーからは届かないはがきを書いては戻って来る…を繰り返している。

ジェレミーと元カノとの完全な別れ

そんなジェレミーの元に元カノがやってくる。他愛のない話をし「行かなくちゃ。明日飛行機で発つの」という元カノにジェレミーは「なぜ来たの?」と聞く。元カノは「あの時の気持ちを思い出せるかどうか知りたかったの。さよならジェレミー」と言って去る。

エリザベスとレスリーの出会い

今度はカジノで働いているエリザベス。そこでギャンブラーのレスリーナタリー・ポートマン)と出会う。

カードで負けて、所持金のないレスリーにエリザベスは「22ドル貸して。私が買ったら元金と買った分の三割をあげる。負けたら、私のジャガー(新車)をあげるわ」と言われ、その誘いに乗る。

エリザベスがレスリーに結果を聞くと、ぼろ負けだと言う。車はあげるけど、ラスベガスまで私を乗せてってとレスリーは言う。

2人でドライブしている途中、レスリーは父から教えられたこととして「たとえ人を信じてもカードを切れ。つまり、誰も信じるなってこと」とエリザベスにアドバイスをする。

レスリーと父の関係

ラスベガスに行く途中、レスリーの携帯に父が入院している病院から連絡が入る。これまでも父親の死ぬ死ぬ詐欺に遭っているレスリーは相手にしない。

結局、ラスベガスに着いたところで、2人は病院に行くものの、レスリーはエリザベスにかわりに父親の様子を見てきてくれと言う。

仕方なくエリザベスがレスリーの父親の様子を見に行くと、医者に「連絡したが連絡がつかなくて・・・」と言われ、レスリーの父が死んだことを知る。

父の死を知ったレスリーは、エリザベスにやっぱり車はあげられないと話す。

本当はこれは父の車で、自分が盗んだ。娘を警察に通報するのか…父がどういう反応を知りたかったのかも?でも父は私の居所をつきとめ、車の登録証を送って来た、車を盗んだ私に父は車を譲渡したという話をする。

だから、車か私がつぶれるまでこの車を乗らないといけないから、エリザベスに車はあげられないと言う。

「私はどうすれば?」と言うエリザベスにレスリーは「ぼろ負けと言ったけどあれは嘘」と言い、負けたフリをしたのはエリザベスにラスベガスまで一緒に来てほしかったのかも?と打ち明ける。

エリザベス、やっと車を買う

エリザベスはレスリーから貸した元金と勝った分の3割を受け取り、2人はエリザベスの中古車を買いに行く。

人の言葉を信じるなというレスリーと素直なエリザベス。対照的な2人は平行線のまま、円満に2人は別れる。

「他人は鏡ね。自分を知るための手がかり。他人の姿に自分を映すのよ」とエリザベスはジェレミーにはがきを描く。

エリザベスがNYを発って300日後
エリザベスは元カレの家を覗き、そこが空き家になっていることを確認して、微笑む。そして、ジェレミーの店を訪ねるエリザベス。ジェレミーは今もエリザベス用の席を取って待っていた。

前のようにブルーベリーパイを食べ、また口にアイスをつけたままカウンターで寝てしまうエリザベス。ジェレミーがキスでアイスを取ると、今度はそのキスにエリザベスが応える。

エリザベスのナレーション。
「1年近くかかったけど、道を渡るのはそう難しくない。反対側で待つ人次第なのだ」

マイ・ブルーベリー・ナイツ
印象に残るセリフ(名言)

ジェレミーと元カノの会話

ジェレミー
椅子を買うつもりがいいのがなくて…

元カノ
探す場所を間違えているか、感傷的になりすぎているのかどっちかよ

 

ジェレミー

君の言葉を覚えている。鍵を捨てると扉は永遠に閉じたまま

元カノ

時には、たとえ鍵を持っていても扉を開けることができない気がするわ

ジェレミー

扉が開いても求める相手は中にはいないよ、カティア(元カノの名前)

 

個人的評価

映画の満足度★★☆☆☆

感想・レビュー

重い女、エリザベス。

ジェレミーの店に店が忙しい時間に元カレがいたかどうかを電話で確認するわ、その後乗り込んで来るわ、鍵は置いて行くわ・・・普通だったら、かなりの迷惑客。店のオーナーとそのままいい感じになるのはちょっと考えにくい。

ただ、ジェレミーが最初にエリザベスにキスしたのがつまみ食い程度の気持ちだったとしたら…エリザベスは長期戦も厭わないかなりの策士と言える。毎日のように店に来る、キスしても無視、そしてその夜、突然消える。しばらく時間を置いて、はがきが届く。連絡先の記載はなし。これはやられた方は相当、相手が気になってしまうだろうよ。そして、さんざん飢餓感与えた中での突然の登場と。

何だろうか、この関係性の重量感。

しかもいい大人が口の周りにアイスつけたまま寝るとかありえないだろ。これもエリザベスの作戦なんじゃないかと思う。前にこの作戦で成功したことがあるんだよ、多分。

ウォン・カーウァイ監督
作品一覧

1988年 いますぐ抱きしめたい
1990年 欲望の翼
1994年 恋する惑星
1994年 楽園の瑕
1995年 天使の涙[2]
1996年 wkw/tk/1996@/7'55"hk.net
1997年 ブエノスアイレス
2000年 花様年華
2004年 2046
2004年 愛の神、エロス
2007年 マイ・ブルーベリー・ナイツ
2007年 それぞれのシネマ
2008年 楽園の瑕
2013年 グランド・マスター